【台風10号】避難所生活2週間。避難民による避難所の現状レポート。

 

こんにちは。@shoheiomiです。

8月30日夕方より、台風10号により家が浸水し、住むことのできなくなったので岩泉の役場近くに有る町民会館に避難しています。

避難生活レポート

町民会館

まる2週間がたったので、避難民の目線で避難所生活の現状をレポートしたいと思います。

 

食事は正直足りない。

避難所では食事の時間が決められています。

朝は7時、昼は12時、夕方は18時となっており、その日によって出されるものは違います。

  • 朝食はおにぎり1つと即席味噌汁とか、缶詰パンにウイダーinゼリーというような簡単なもので、正直足りないです。
  • 昼食もほぼ同じような内容です。たまにボランティアの炊き出しの方たちが来てくれると、カレーライスや焼きそば、野菜炒め、ラーメンのようなものも出てくるので、非常にありがたいです。
  • 夕食はご飯に漬物、昆布、おかかなどをのせるものと、味噌汁というパターンが多いです。

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ある日の朝食。正直かなり寂びしい。

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温かいラーメンはホッとする。

何れにしても若い人には量が足りません。おかわりは自由なのですが、さすがにおかずもないのであまり食は進まず。避難生活でお金払っているわけでもないので、贅沢なのかもしれませんが、正直、野菜とかもっと食べたいなあと。

最初は配膳もや役場関係の方が行っていましたが、今はセルフサービスになっています。このような事態は岩泉町としてもあまり経験がないことなので、マニュアルなどはなく、少しづつ対応が変化しています。

避難所で決められた時間に行うものはこれだけです。あとは自由行動です。

 

朝5時には動き出す。

朝はかなり早く5時頃には目覚めてしまいます。夜に何もやることがなく早く寝てしまうことも要因の一つですが、避難所には高齢の方も多く、彼らは朝が早いのか、その頃から動き出します。ゴミ袋をガサガサかき回すような音や、ラジオをかけたり、話し始めたりするので、寝ることができません。正直もう少し周りに気を使って欲しいというのが本音です。

問題なのは、避難者同士では注意できないこと。常に一緒にいなくてはいけないので、何かあっても注意することはなかなか難しいです。関係が悪化していざこざが起きても困ります。避難所を管理するところが、何らかのルールを作る必要があるかもしれません。ただあまりガチガチになっても困るので、そこらへんは絶妙なさじ加減が必要です。

 

朝食を食べたら泥かきへ。気になる衛生面。

朝食を食べたら泥かきです。おかげさまで僕の家はほぼ泥かきを終えることができたのですが、街に目を向けるとまだまだ手付かずのところがあります。

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岩泉町は本州一広い「町」でその面積は992.9 km²。東京23区全体の面積が619 km²なので、その大きさがわかるでしょう。そんな広い岩泉町全域に被害が出てしまったので人手が足りなく、泥かきは終わりが見えません。

今は特に被害が大きかった安家地区で泥かきをしていますが、地元の人は高齢の方が多く、泥かきを行うのは困難です。そんなわけで我々のような若い人間が頑張るしかないのですが、これも限界があります。平日にはボランティアの方々も地区によっては4、5人程度という現状なので、本当に少しづつ進めている状況です。

また、衛生状況の悪化も気になります。日に日に泥が臭くなっていて、少し泥を触っただけでかなり強烈な匂いが手に残ります。石灰を撒いて対処していますが、これでどこまで効果があるのか。。。

ボランティアにお越し下さる方はマスクや、中に泥が染み込まないゴム製の手袋を用意された方がいいかもしれません。

 

泥だらけでは避難所に入れない。

泥かきを終え避難所に戻る際に気をつけなければならないのが、泥のつきのまま避難所に入れないということです。衛生状態に気を使う避難所なので当たり前ですが、これも着替える場所がないので、結構困ります。何しろ家がないので避難しているのですから、外で着替えるしかありません。しかも汚れたままで。

町内のホテルお風呂を無料で開放しているので、そこまで汚れたまま行って汗を流してから着替えたいのですが、ホテルも避難所になっているので気が引けます。ですので、体は汚れたまま一回綺麗な格好に着替えて温泉に行くということにしています。

 

温泉の無料開放。

被災者とボランティアの方向けに温泉が無料開放されています。これは本当にありがたいです。災害後の3日間は断水で温泉も入れなかったので、その頃と比べると随分気持ちが楽になりました。辛い泥かき作業の後でも、温泉に入れば気持ちがリフレッシュできます。ただ、時間帯によってはかなり混みます。洗い場で順番待ちということもあります。

 

洗濯物はどうしているか。

今は町民会館でも洗濯機が使えるようになりましたが、それまでは、湧き水や川で洗うしかありませんでした。

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僕は今でも川で洗っていますが。。。というのも理由があって、泥だらけだからです。泥だらけのものを洗濯機に入れるのははばかられます。入れたところで綺麗に落ちないし。

ということで川で洗剤も付けずに洗っています。正直匂いとれないかなと思っていたのですが、意外にとれています。水道水より匂いがとれるような気がするのですが気のせいでしょうか。

晴れた日は、同僚の家の物干し竿を借りて干しますが、最近は天気が悪いので、乾燥機のあるコインランドリーまで持っていって乾かしています。これも元々岩泉にはコインランドリーがないため隣町まで行かなくてはいけません。僕は自分の車が流されてしまいましたが、幸い職場の車を借りてコインランドリーまで行くことができます。しかし全く車を動かすことができない方は、これも難しい。だから衣服はいくらでも欲しいのが現状です。

 

 

支援物資はこれからまだ必要になる。

おかげさまで多くの支援物資が集まっていますが、注目されなくなってくるこれからが一番大変な時です。同じ協議会のメンバーがFacebookに物資の状況をあげていましたのでシェアしておきます。

【お礼とお願い】
現在の町民会館の物資の様子(9月12日正午現在)
沢山のご支援を頂いており、ありがとうございます。

しかしまだ困っている方が沢山います。
カップラーメンやレトルト、缶詰めなどの食料品がなくなりそうです
長靴やスコップなどの泥かき用具も足りません
ハンガーやロープなどの服を乾かす道具も必要とする方が多いです
自炊用にカセットコンロを使いたい方もいます
おかげさまで、服やオムツ、マスクは足りています

みなさまのご支援を、どうぞ宜しくお願いいたします!

岩泉町民会館 支援物資受付係御中
岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字松橋21-1

 

 

これからの展望。

家がないので、町が何か新しい住まいを用意してくれないと避難生活を終えることができません。当初、ホテルに移動するという噂もありましたが、なかなか進みません。一方で、すでにホテルに移動している被災者もいて、その差は一体何かということが問題になってくるかもしれません。情報によれば、最初に町民会館に避難した人はそのまま残っていて、他の地区の被災者であとから避難してきた人がホテルに入っているようですが、町民会館組の中で不満がたまっているが正直なところです。この問題はかなりデリケートな部分で、町の方も根拠のある振り分け方なり、説明ができないと、あとでしこりが残ってしまいます。

それから、家の片付け、泥かきはかなりの長期戦になりそうです。このままでいくと場所によっては、冬の時期に入ってもまだ終わらないということになりそうです。まだ報道で取り上げてくれているのでいいものの、後1ヶ月もすればほとんど報道されなくなると思います。そうなった時にボランティアの方々を集めることができるのかというのが大きな課題になりそうです。

というわけで、ボランティアはまだまだ募集です。

 

ボランティアについて

 

直接僕の活動の支援に入りたいという方は、Facebookにメッセージください。

 

 

被災状況はこれからも定期的にアップしていきたいと思います。また台風被害の復旧後には面白いことを企画しています。これからの岩泉を応援してくださる方はいいね!をお願いします。