台風10号により甚大な被害を受けた岩手県岩泉町の被災状況と避難生活の現状をまとめています。筆者個人の経験も交えながら、災害を記録していきます。新しい情報や状況の変化など随時更新の予定です。
岩泉町被災関係新着記事
【台風10号】避難所生活2週間。避難民による避難所の現状レポート。【台風10号】被災当日の詳しい状況と車を被災してから引き取ってもらうまでの全記録。大正6年発行地図と災害年表マップから岩泉町の過去の水害を読み解く。
避難生活について
被災した町民は町民会館に避難しています。町民会館は被害が甚大であった向町のすぐ隣にありますが、高台にあるため、浸水の被害はありませんでした。9月5日現在、200名ほどの住民が避難しています。
- 8月30日 停電、断水
- 8月31日 停電、断水状態が続く
- 9月1日〜 夕方より停電、断水状態の解消
現在は、町民会館の電気、水道は復旧しています。避難場所である町民会館は優先的に復旧しているようで、町内の断水状態は続いています。
・Wi-Fi無料開放場所
町民会館、岩泉町立図書館、小本津波防災センター
役場2回にてdocomoがWi-Fi無料開放中
避難所で配られるもの
- 毛布(避難初日に配られる)
- 食料(毎日朝・昼・夜の三食、おにぎりやパンなどにスープなどがつく)
- 飲料水(避難1日目、2日目に配られたが、今は配られていない)
- 衣服(Tシャツなどは豊富に配られているが、下着、ズボンは不足気味)
- バスタオル
- 敷きパッド(9月3日に配られる)
- 間仕切り(9月4日に配られる)
徐々にですが、物資も揃ってきたことで避難所生活もいくらか負担が軽減しました。最初の何日かは毛布を敷き布団代わりに寝ていましたが、床が硬くなかなか眠ることができませんでした。
食料の配給は足りなくなることを防ぐためなのか、少なめに配り、ほぼ毎回余っています。個人的には配られる量が少ないと感じます。おにぎり1つに、漬物1つ、味噌汁1杯くらいの量なので、泥かきなどで重労働する中では体力が持ちません。余っているのでおかわりは可能ですが、最初のうちは仕組みがよくわからず、遠慮してしまいます。
また、ボランティアでキッチンカーが入り、温かいカレーが配られました。遠く東京からいらしたそうです。ボランティアの方々には本当に感謝しています。
入浴について
岩泉町内では龍泉洞温泉ホテル、ホテル龍泉洞愛山の2箇所で断水地区住民は無料で入浴が可能です。
- 龍泉洞温泉ホテル
6:00〜10:00、12:00〜22:00
電話22-4141
- ホテル龍泉洞愛山
11:00〜21:00
電話22-4111
また、中里地区の公民館前、門小学校に自衛隊による仮説風呂が設置されています。
- 中里公民館(1ヶ所)
16:00~18:00(女性),19:00~21:00時(男性)
- 門小学校(2ヶ所)
16:00~21:00(男性用、女性用ともに)
*9月5日時点の情報。日によって変更の可能性があります。
夕方はかなり混みます。私が利用した時は、洗い場待ちの行列ができていました。泥かき作業などない方は早めに利用されていた方が良いかもしれません。
泥かき作業
商店街にほど近い向町は低い位置にあるため、多くの住宅が床下、床上浸水しました。私の住むアパートもその例外ではなく、泥まみれになり、ほとんどすべての家財が使えなくなりました。
アパート前の様子です。濁流に流された車がアパートに激突しています。普段はここから入るのですが、車が邪魔で入ることができません。
家の中の状況です。泥が流れ込んでいます。家電、本、衣服などほとんどのものが使えなくなりました。
障子についた濁流の跡は人間の私の胸の高さまで来ていました。避難しなければ生きていたかわかりません。
泥かき作業をする前に、まず使えるものと捨てるものに選別しました。ハンガーにかけていた衣服と泥がついても洗えば使える靴などを除いては、ほぼ全て捨てることにしました。中でも本は400冊ほど持ち込んでいたので大きなショックを受けました。
選別は意外に時間がかかります。私はまる2日間もかかりました。
選別の後、同僚に手伝ってもらい、泥をかき出します。
1日で何とかここまで掻き出すことができました。和室だったので畳が重く、搬出が大変です。一人では困難ですので、手伝いがなければ進めることができません。このような災害の場合、ボランティアが入ってくるので、応援を要請するといいと思います。また、畳の搬出はロープで縛り付けて引っ張った方が楽です。
泥かきに必要な物
- 軍手
- スコップ
- 汚れてもいい服装
- 着替え
- ロープ(畳の搬出用)
- 大きなゴミ袋(選別した物、ゴミを含めて45リットルのゴミ袋70枚を使用しました。本が多いとはいえ、一人暮らしでそのくらい使ったので、家族住まいの一軒家だともっと必要かもしれません)
湧き水を利用して洗う
このような災害の場合、断水しているので選別した物を洗う場所を探すのが大変ですが、岩泉町は湧き水が豊富です。水道が使えない状況で、食器や衣服の洗濯に多くの人が湧き水を利用しています。
ドローンによる空撮
・岩手県岩泉町乙茂地区の高齢者福祉施設周辺
・岩手県岩泉町袰野周辺(小本川)の被災箇所
支援物資について
皆様のおかげで多くの支援物資が集まってきましたが、孤立地域が多かったため、まだ各地区へ十分に行き届いていません。引き続きのご支援をお願い致します。
小川地区
混乱を避けるため、代表者宛発送または門小学校に直接持ち込み(盛岡から国道455号線で直通)にて。
〒028-5641
岩手県下閉伊郡岩泉町門字町66-1
TEL:0194-25-4111
※品名「小川地区支援物資」
※宛名 工藤 哲郎
※ゆうパック限定(ヤマト、佐川不可)
長靴、安全靴、下着、合羽、スコップ、ほうき、一輪車(パンクしないタイヤのものならなおよし)、土のう、70リットル90リットルのごみ袋、ビニールひも、タオルケットなど薄手の布団、レトルトのおかゆ(高齢者のため)、おせんべいなど塩味のお菓子、ボックスティッシュ、キッチンペーパー、ウェス、水でなく お茶、簡単に食べられるカロリーメイトやゼリー飲料など、栄養ドリンク、蚊取り線香、虫除けスプレー
いずれも新品、消費期限の残っているもの。
岩泉地区
岩泉町役場町民会館
〒027-0501岩泉町岩泉字松橋21-1
TEL:0194-22-2111
※品名「岩泉町支援物資」
※ヤマト運輸(配送ルートの関係)
●飲料水
●子供用のオムツ(各サイズ)
●ミルク、離乳食
●手指消毒できる除菌シートやジェル
●マスク
●缶詰等の調理不要食品
●男女下着類
●ジャージなど衣類
●靴、長靴、サンダル
●生理用品
ボランティアについて
被害地域が広大なため、各所で人手が不足しています。泥かき作業がメインになると思われますので、各自でマスクや防塵メガネを用意してください。
岩泉町災害ボランティアセンター(岩泉町役場内 町民室)
岩泉町惣畑59-5
TEL 0194-22-2111
ボランティアセンター直通 090-7079-6035
受付時間 8:30~17:00
活動時間 9:00~15:00
個人でボランティアされる方は、直接ボランティアセンターに直接に行くか、電話にて連絡お願い致します。
団体でボランティアされる場合は、事前に人数と日程の相談をしてください。
義援金について
岩泉町では、全国から義援金を受け付けるため専用口座を開設しています。義援金は被災者に直接分配する予定とのことです。多くの方のご支援をお願いいたします。
岩手銀行 岩泉支店
普通預金口座
店番【044】
口座番号【2023749】
口座名義【岩泉町災害義援金 岩泉町長 伊達勝身】
※岩手銀行の本・支店窓口取り扱い分は、振込手数料がかかりません。ATMによる振込み及び都市銀行等からの振込みは手数料がかかります。
北日本銀行 岩泉支店
普通預金口座
店番【032】
口座番号【7011833】
口座名義【岩泉町災害義援金 岩泉町長 伊達勝身】
※北日本銀行の本・支店窓口取り扱い分は、振込手数料がかかりません。ATMによる振込み及び都市銀行等からの振込みは手数料がかかります。
最新の情報
最新の公式情報は役場ホームページでご確認ください。また、岩泉町地域づくり支援協議会のFacebookページでも道路情報や現地情報をアップしていますのでご確認ください。