【樹木図鑑】実を食べられない方のクルミ。樹皮を使うサワグルミ。

 

針葉樹のようにまっすぐに直立して生え、成長も早く、高さは30mくらいになります。ヤチダモも幹がまっすぐで、樹皮や葉の形状が似ていますが、サワグルミは谷筋に、ヤチダモは湿地に多く生息しています。
木材としては白っぽく柔らかいく、軽いという特徴があります。古くはマッチの軸木や樺細工などに使われる経木、スキー板などに利用されていました。建材としては柔らかすぎること、加工性は良いがパサパサした質感で、変色もしやすいこともあり、あまり利用されていません。

 学名 Pterocarya rhoifolia
 別名 カワグルミ、フジグルミ
 分類 カワグルミ、フジグルミ
分布 北海道(渡島半島)、本州、四国、九州

 

樹皮を使ったクルミ細工

クルミというとクルミ菓子に使われるクルミの実を思い出されると思いますが、そのようなクルミの実はオニグルミにしかなりません。残念ながらサワグルミの実は食べられませんが、樹皮は、屋根葺きの材料やカゴ細工などに使われています。別名でカワグルミともよばれていますが、有用な樹皮であることがその由来と言われています。

樹皮は夏場の時期だとこのように綺麗に剥くことができます。内側はツルッとしています。この樹皮を乾かしてから、細いひも状にカットした材料を揃え、編み込んでいきます。
ツリークライミングの第一人者ジョン・ギャスライト氏の言葉が大人になった今だからこそ響いた。

 

桐の代用として

サワグルミは軽さ柔らかさが桐に似ていることから、山桐と呼ばれ、古くから桐の代用として下駄などにも使用されてきたそうです。私も実際に手にしたことがあるのですが、確かに持った感じ、触った感じは桐に近いかもしれません。見た目は桐のように木目がしっかりとしていないのでぼやけた印象を持ちました。シナノキにも似ていると思います。

桐は国内の蓄積量が少ないために中国から輸入しているのが現状ですが、その代用としてまだ蓄積量があり、成長の早いサワグルミを利用するのも面白いかもしれません。LOCAL FOREST DESIGNの活動拠点である岩泉町でもかつては桐が豊富にとれたので下駄職人もいたようですが、今では桐を見かけることはほとんどありません。桐下駄の復活は難しそうですが、サワグルミで現代風の下駄を作ってみるというのも、岩泉の新しい歴史として面白い取り組みになるのではないかと思います。