【樹木図鑑】かつては高級木材だった。和のイメージのケヤキ。

街路樹としても多く見られるケヤキ。徳川幕府の奨励策により関東地方には多く植林されたと言われています。非常に大木になることが知られていて、樹齢数百年、直径1mを超えるような大木が各地に存在します。木材としては社寺仏閣によく使われるほか、和風建築(日本家屋)に使う高級木材として重宝されてきました。現在は和風建築が少なくなったことから、以前のように高値で取引されることは少なくなっています。

学名 Zelkova serrata
別名 ツキ(槻)、Keaki(英)
分類 ニレ科ケヤキ属 (落葉高木)
分布 本州、四国、九州、朝鮮、台湾、中国

生命力の強いケヤキ

ケヤキは非常に大きく育つことで知られています。私の生まれ故郷である埼玉県にも日本一長いと言われるケヤキ並木(国道463号線)がありますが、他の樹種であれば相当な大木と言える木々が立ち並ぶ様は非常に迫力があります。

この写真は、実家から歩いていける住宅街のど真ん中に何気なく立っているケヤキの大木です。幹周りはなんと9.4mもあるそうです。樹齢は書いていませんでしたが、おそらく1000年は超えていることでしょう。雷に打たれて木の大部分が焼け、中は空洞になっていますが、それでも力強く立っている姿は他の木にはない生命力を感じます。

木材としてのケヤキ

ケヤキは硬く、乾燥した後の狂いが少なく(乾燥前は非常に大きく動くようです。)耐朽性にも優れているので、社寺仏閣の建築用材を始め、和箪笥やちゃぶ台などにも利用されてきました。木目も力強く美しいことから、かつては最高級の木材として高く取引されていましたが、現在は洋風建築の住宅が多くなり、ケヤキの雰囲気が合わないということもあり、建築用としてはあまり使われなくなってきました。

良くも悪くもケヤキ=和というイメージが定着してしまっているということでしょう。それを逆手にとって洋室でもピンポイントに和を感じるアイテムとしてケヤキを活用できないものか・・・と考えてしまいます。