あなたの気になる人はどんな人でしょうか。
本日も“FOREST PEOPLE”をお読みくださりありがとうございます。@shoheiomiです。
今回は “INTEREST PEOPLE”と題して、僕の「気になる人」をご紹介いたします。
この記事を書くにあたり、改めて自分がどんな人が気になるのか、好きなんだろうか、と考えてみると、周りからは「少し変わった人」と思われる人なんだろうと思います。決してバカにしているのではなくて、誤解がないように言うと、人とは違う発想ができる…ということです。
そういう人から話を聞いていると、自分もその世界に連れて行ってくれる気がしてなんだかワクワクします。僕自身もどちらかというと周りから「少し変わった人」と思われているようで、親近感を感じるというのも理由の一つかもしれません。
もう少し深く考えてみると、「少し変わっている」と同時に「カッコイイ」というのもポイントで、容姿というよりは、自分が興味を持ったことに対してへの探究心だったり、「やりたい」と思ったことをとりあえず実行してみる勇気を持っている人なのかなと。そういう自分自身で“楽しみを見つけ出せる”格好良さ…を感じさせる人が気になるのだと思います。
そんなわけで、続編があるかはわかりませんが、記念すべき“INTEREST PEOPLE”第一回目はもっとも身近にいる「気になる人」をご紹介いたします。
中軽米 一輝(なかかるまい かずき)さん
<プロフィール>
名前:中軽米 一輝(なかかるまい かずき)
略歴:
1988年1月 岩手県八幡平市(旧松尾村)に生まれる
2013年4月 庭師として働き始める
2015年7月〜 岩泉町地域づくり支援協議会 勤務
2016年9月〜 LINK VILLAGE整備開始
今回ご紹介する“INTEREST PEOPLE”は僕と同じ岩泉地域づくり支援協議会に所属している中軽米一輝さん。未活用の山林を生まれ変わらせる構想のもと、“LINK VILLAGE”というライフフィールドの整備を行っています。
“LINK VILLAGE”の活動については後ほど詳しく触れますが、まずは中軽米さんってどんな人?というところを書いてみようと思います。
▼中軽米さんの作品
中軽米さん手編みのハンモックで極上のくつろぎと優雅な時間を。
とにかく自分でやってみる
実は、中軽米さんを紹介するにあたり、プロフィールの写真をどれにしようか随分と悩みました。男前なので、カメラ目線で正面向いているものでもよかったのですが、やっぱりその人の雰囲気が伝わる写真にしようと思いまして。それで選んだのが「丸太を製材している写真」です。
前もって断っておきますが、中軽米さんは林業家ではありません。林業家であっても自分で製材することはめったにないことだと思いますが、中軽米さんはチェーンソーと単管を組み合わせてオリジナル製材器を作り、自分で伐採した丸太を自分で製材して、その板から木工品を作る…ということをやっています。そのエピソードが詰まっている写真ということで「丸太を製材している写真」を選びました。
まさにこのエピソードのように中軽米さんは『とにかく自分でやってみる』という人。
だからでしょうか。他の人よりも身についた知識が豊富で、僕が中軽米さんと知り合ってから2年ほどの期間で、「こんなことも知っているのか、こんなこともできるのか。」と思う瞬間が何度もありました。
中軽米さんは古民家を借りて住まわれているのですが、自分で壁を塗ったり、古材で棚を作ったり、ドラム缶を切断して薪ストーブを作ったりとDIYが得意。壁は石灰とにがりを混ぜて、自分で塗って漆喰壁にしてみる…なんてことにも挑戦しています。
他にもススキを河原から集めてきて箒を作ったり、雑草を煮詰めて和紙を作ったり。編み物も得意で、自分でハンモックまで編むことができます。
面白いのは、数年前に山の中に2週間こもって自給自足したという話。山菜などを採って食べ、岩の上で眠っていたのだとか。もう少し続けたかったけれど(炭水化物?タンパク質?)が足りなくなって断念した…というエピソードも面白い。本人曰く「迷走していた時期」なのだそうですが、山にこもってみようと発想し、実行してしまう…そんなところがやっぱり少し変わってる。でもそこが魅力的で気になってしまうのです。
『とにかく自分でやってみる』。それが中軽米さんの「哲学」なのか「本能」なのかはわかりませんが、それを続けてきたことで、他の人にはない知識と発想が生まれるのかなと、勝手に考えています。
自然と向き合う面白さ
中軽米さんは、スノーボードやロッククライミング、シャワークライミングなど、自然の中で遊ぶのがとても好きなのだそう。「どうして?」と理由を聞いてみると、人間が意図して作った人工物よりも、遊ぶために作られたわけではない自然を攻略する方が楽しい、ということでした。
なるほど、言われてみれば自然の造形そのままのフィールドを舞台とするロッククライミングやシャワークライミングはもちろん、スノーボードにしても毎回雪の量も質も違いますし、何回滑っても全く同じってことはありません。場所を変えれば、別のスキー場ではできた技もできなくなったりするものです。予測できない自然と向き合う…それが面白い。
だからなのかはわかりませんが、今の職場に来る前は、庭師の仕事をしていたのだそうです。なぜ庭師になったのかは聞いていませんが、人が作ったモノを売る仕事よりも、自然と向き合う庭師に中軽米さんが惹かれた理由もなんとなくわかる気がします。そして庭師で培った経験や技術が、次に紹介する“LINK VILLAGE”に繋がっていきます。
LINK VILLAGE構想
そんな中軽米さんが現在進めているのが、「人にはない発想」と「庭師の経験」を活かして未活用だった山林を丸ごとデザインし、「自然を遊び、自然を学び、自然を守り、自然と暮らす」拠点“LINK VILLAGE”の開発。
2017年9月から山林の整備に着手し、現在の面積は2.8ha(28000㎡)。元はなんの変哲もない普通の山林でしたが、それを業者に頼むでもなく、自らの力で開拓しています。開拓すると言っても、山の木々を全てなぎ倒して平地にするというようなことではありません。多少伐採はしますが、人が入りやすくするためで、自然の姿を残すように整備されています。
この開拓した山林は「自然を遊び、自然を学び、自然を守り、自然と暮らす」という4つのテーマに、スノーボードサマーゲレンデやスラックラインなどの遊びを行う「遊びエリア」、ハンモックサイト・グランピングなどを設置する「癒しエリア」、伐採や植物生産を行う「生産エリア」の3つに分けてデザインされる計画です。
また、中軽米さんは“LINK VILLAGE”を、多くの人とつながり、それぞれの「やりたい」を実現していく場所として育てていきたいと語ります。
例えば、「スノーボードのオフトレの施設を作りたい」「周りを気にせず堂々と燻製できる燻製小屋を作りたい」「野外にボルダリング施設を作りたい」「自然の中でサバゲーをやりたい」
というように、みんなが山や自然の空間の中で「やりたい・やってみたい」ことを実現できる場所。思い描いてはいるけれど、なかなか実現できない夢を集める拠点。自然と人が、そして人と人の思いがつながる(LINK)村(VILLAGE)にしていきたい…“LINK VILLAGE”という名には、そんな中軽米さんの思いが込められています。
>>LINK PROJECT|自然の中で「こんなことをやってみたい!」という思いを持っている方は、こちらから直接問い合わせできます。
また、敷地内の木や植物を使ったものづくりや、体験イベントの開催なども行なっています。ティピを利用したコミュニティースペースや宿泊施設なども計画中とのことです。今後ますます拡大していく“LINK VILLAGE”から目が離せません。
電子書籍でも中軽米さんを紹介
記念すべき第一回目の“INTEREST PEOPLE”いかがでしたでしょうか。知っている人、身近な人を紹介するのってなかなか難しいですね。本人に見せると思うと、いつもの記事よりも緊張します。こう表現しても良いのだろうか、誤解を与えないだろうか…色々考えましたが、とりあえず、僕からみた中軽米さんということでご了承いただければと思います。
「気になる人」を紹介する“INTEREST PEOPLE”の企画は、実は前々から紹介したかった中軽米さんの特集を書くためのきっかけだったので、次回があるかはわかりません。誰でもいい、というわけではなくて、僕が本当に紹介したいと思う人しか書かないので、次にそういう出会いがあるときまで封印しておきます。
3,000文字を超える大企画となりましたが、ブログでは表現しきれない部分を紙媒体のように自由なデザインで、もっと詳しく中軽米さんを紹介したいと思い、雑誌のようなテイストの電子書籍を作ってみました。ぜひ一読していただけると嬉しいです。