スギ花粉ですっかり悪役のイメージがありますが、スギは日本特産種であり、古くから建築材として使われ有用樹として、ヒノキと並び広く植林されてきました。成長が早く建築用材としても使えるため、戦後全国的な大規模植林が行われましたが、安く安定した外材が入るようになると徐々に使われなくなっていきました。
最近では、国産材の利用に力を入れ始めた国や地方自治体の意向により、学校や幼稚園などの公共施設にスギが内装材として使われるようになり、再びスギに注目が集まるようになりました。
学名 | Cryptomeria japonica |
別名 | ヨシノスギ、オモテスギ、倭木(中) |
分類 | スギ科スギ属 (常緑高木) |
分布 | 本州、四国、九州 |
スギの香りを活かした製品
皆さんは、スギの葉っぱの香りを嗅いだことがあるでしょうか。とてもすっきりとしたザ・森の香りという感じで好きな方も多いのではないかと思います。そんなスギの香りを活かした商品があるのをご存知でしょうか。
線香
スギの葉をすり潰して練り込むことで作られた線香は、煙が多く出るのでお葬式によく使われていたそうです。最盛期に比べると少なくなったそうですが、今でも西日本を中心にスギの葉を使った線香が製造されています。
【構想】杉の葉線香に学ぶ。いろんな木の葉っぱで線香を作ってみたい。
アロマオイル
女性の間で話題になりつつあるのが、スギの葉から蒸留したアロマオイルです。アロマオイルはほぼ外国産なので、国内で製造できるものとして注目を集めています。アロマオイルの抽出方法は非常に簡単で、スギの葉っぱを集めて、専用の釜に入れて水蒸気で蒸留するだけで簡単に抽出できるので、全国各地の森林組合やアロマセラピー業者が開発が進み、今では”ご当地”アロマオイルが販売されるほど普及してきています。
圧密加工で柔らかさを克服
国や地方がスギを積極的に使っていこうと号令を出したのはいいのですが、大量に使用が見込める公共施設の内装材としては、スギは柔らかすぎるという問題がありました。素足ならともかく、土足でスギの板の上を歩けば、スギに凸凹になってしまいます(個人的にはそれでもいいのではないかと思いますが・・・)。
出典:つよすぎ
その柔らかさを克服するために、スギを圧縮して硬くするという技術が開発され、各地の公共施設に使われ始めています。またその強度を活かして従来は難しいとされていたスギ材の家具も開発が進んでします。
実際に圧密のスギのフローリングを触ったことがあるのですが、硬さは相当なもので、ナラやカバなど広葉樹に引けをとりません。ただし単価はまだまだ高いようですね。普通に広葉樹のフローリングを買う方が安いです。