【草木染め】 ピンクや黄色も。木がカラフルだって知ってました?

木の色を思い浮かべてくださいと言われたら、どんな色を思い浮かべますか?
茶色?
葉っぱの緑色?

いえいえ、木ってもっとカラフルなんですよ。赤とかピンクとか黄色とか想像できますか?外国の木じゃないですよ。よく目にする街路樹なんかも、こういう色を隠し持っていたりします。

例えば、サクラの木。赤やピンクの色を持っています。木材の色を抽出するには、材料を細かくして、水で煮るのが一番手っ取り早い方法なのですが、サクラの木を煮ると、水が赤くなるんですね。それをペットボトルに入れておいたら、ぶどうジュースと間違って、飲んでしまいそうなほどです。

 

IMGP2817

 

 

都会では街路樹として一般的なケヤキは黄色。少しオレンジっぽいかな。

ハンカチ

表はケヤキで染め、裏はサクラで染めたハンカチ。別々に染めて後で縫い合わせました。

 

 

木の色で染物をしてみよう

じゃあ、この色を何に使うということですが、染物の染料として使えるんです。今はあまり多くありませんが、昔はとても多くの人が染料として使っていました。まあ当然の話ですよね。昔は人工染料なんてありませんから、服を染めるには草や木を使って染めるしかなかったわけです。

今はほとんどが人工染料で、天然の染料をつかう草木染はよっぽど高級なお店じゃないと扱っていません。藍染なんかがその代表例だけれど、昔はもっと多くの草や木で染めていたのです。人工染料と比べてすごく自然な風合いなんです。根強い人気のナチュラル系ファッションとの相性も抜群です。

 

狙った色をだすのは難しい

といってもこの草木染、すごく難しいです。同じサクラの染料で染めても、うすい茶色、濃い茶色、赤ワイン色、薄いピンク色など色が一定しません。煮出したときの温度とか、時間とか、部位によって材料そのものの持っている色が少し違うとか、媒染するときの媒染液の種類によっても出来上がりの色が全然違ってくるんですね。

IMGP3124

写真は、サクラで染めた綿×2、麻、絹です。

 

媒染(ばいせん)というのは、染色の過程において、染料を繊維に定着させる工程のことをいいます。媒染するために媒染液につけておくのですが、媒染液はたくさん種類があって、例えば、木酢液、焼きミョウバンを水で溶かした液体、重曹を水で溶かした液体などがあります。その液体の持っている性質によって、媒染した後の色が違ってくるのです。さらに、染色する布によっても、違ってきます。麻とか綿だと、色が入りにくく、薄くなります。綿やウールだと、色が入りやすく、濃くなります。
いやー難しすぎです。でも、とても奥が深い。

 

▼合わせて読みたいサクラ染めの記事

ほんわりとした優しい桜色。本物の桜を使った桜染めで春を感じよう。

 

気軽に楽しめる染物体験

じゃあ、素人にはできないのかといえば、そんなことはありません。最初からこんな色を出したいと思わなければいいのです。染色してみて、こんな色になった~!!というのも楽しいじゃないですか。枝でも十分色がでますよ。庭の木を剪定するときにでた枝を、鍋で煮ればいいだけですから。大きなものを染めるにはそれなりにたくさんの枝が必要ですが、小さなものであれば、普通料理に使っている鍋の半分もあれば大丈夫でしょう。

お気軽染物体験

<用意するもの>

  • 布(綿、麻、絹など。ポリエステルが入っていないもの)
  • 鍋(ステンレスがやりやすい)
  • 媒染液(焼きミョウバン、重曹などを溶かしたお湯)
  • 色を抽出する材料(木材や花など)

<手順>

今回はサクラの枝で布を染める手順を見ていきましょう。

  1. サクラの枝を細かくします(手で簡単に折れるくらいのおおきさでいい)。
  2. 鍋に水を張り、細かくしたサクラの枝を入れ、40分ほど煮出します。
  3. 鍋の中にシャツを入れ、30分ほど煮出します。(この時点で色が付きます)
  4. お湯を用意し、その中に重曹を入れ、よくかき混ぜたあと、煮出した布を入れ、30分ほど放置します。(媒染)
  5. 水で洗い流して、干したら出来上がり!

今度、体験教室もやってみたいですね。ハンカチ染くらいならけっこう簡単にできます。

 

▼もっと詳しく学びたい方にオススメの草木染め本はこちら

[itemlink post_id=”12622″]

小学生の自由研究にも

草木染めは簡単かつ奥深いので、小学生の自由研究にも使えます。特別に用意するものも布くらいでしょう。近くにある草木3種類くらい集めて、綿、麻、ウールによる染色の色の違いを研究する、という具合です。もしくは布を綿一つに固定して、媒染液の種類による色の違いを研究するとか。アドバイスするとすれば、布を1種類に固定するか、媒染液を固定するか、どちらかを選んだほうがいいです。あまり種類を増やしすぎると深みにはまっていきます。

自由研究キットにして売ってもいいかもしれません。きれいな色が出やすいサクラとかケヤキの端材を集めて、綿、麻、ウール3種類くらいの布と、媒染剤2種類くらいをあらかじめ最適な量で用意してあげようと。あとは、お家で鍋にお水を入れて煮るだけですよ、という状態で販売。もちろん解説書付き。

けっこういいアイデアだと思うなあ。すぐにでも始められますし。
今、自由研究でどんなのが流行っているのか見てみたら、ヒカルドロダンゴとか、味噌づくりキットだとか、ホント自由ですね。これなら、草木染キットもありでしょう。

 

*追記

少し赤みが濃いですが、ピンク色に染められる草木染めキットです。夏休みの自由研究にも最適です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です