先日、岩手県岩泉町の商店街の一角にある、あっけら館にて、「自分で使うものは自分で作りたいワークショップ」と題して、スプーンとバターナイフを自分でつくる体験会が開催されました。
端材から生まれる新しい価値
講師は、岩泉町の隣町、葛巻町の森の達人、外久保蔦雄さん。木工をはじめ、森にある資源を活かした手仕事をされている方です。もったいないという心を持ち、人が捨ててしまうような材料でも、手仕事を加えることで、新しい価値を作り出していく。そんな外久保さんは僕が目指す森での暮らしの先駆者でもあります。
今回のワークショップで使われる木材も、薪として使われるものや、大きな木工品を作った際にでる端材を活用します。
スプーンの作り方
これがシラカバの木の端材。白い樹皮が特徴的なシラカバですが、木材部分も少しクリーム色がかった白色で美しく、滑らかで少し柔らかめの材質のため、削りやすく、スプーンやバターナイフなどカトラリー作りには最適な木材です。
まずはじめに、横から見たスプーンの形をイメージし、マジックで線を描いていきます。後から削り出すので、少々ずれていても、大丈夫です。
大雑把に線を描き終えたら、スプーンのつぼ(すくうの部分)を機械で削っていきます。
外久保さんに見守られながら、少しづつ丁寧に削っていきます。力づよく押し付けてしまうと、一気に削れてしまうので、ベルトに置くように、角度に気をつけながら、少しづづ削っていくのがポイントです。
機械で削り終わったら、彫刻刀や小刀を使い、少しづづスプーンの形に削り出していきます。柄の部分は、小刀で削っていくと早く仕上がります。
小刀で削った後は、表面が毛羽立っていますが、最後に紙やすりで調整するので、問題はありません。
やすりがけは三段階あり、60番、120番、240番と少しづつ細かくしていくのがポイント。最初から細かい番手で行うと、なかなか削れなくて大変です。
やすりがけしていくと、細かいところまでイメージ通りに形を整えられるので、面白くなってしまい、1時間以上やすりがけしていました。
最後に、オリーブオイルを染み込ませた布で磨き上げます。木材にオイルを染み込ませることで、耐水性が上がり、長持ちさせることができます。また、木目や色合いがしっかり出てくるので、より味わい深い風合いになります。
オイルは使うたびに少しづつ落ちていきますが、オリーブオイルを塗り直せば、また新品同様に。
そして、ついに完成!!
柄の部分に親指あてのくぼみをつくりました。個人的にお気に入りのポイントです。
自分だけのオリジナルスプーンに満足。少し小さめのつぼ(すくう部分)なので、アイス用にしようと思います。