キャンプ場から始まる地域活性。スノーピークと地方の連携が加速している。

地方創生とか地域活性とか言葉は違えど、なんとかして衰退する地方を盛り上げていこうという一種のムーブメントが起こっていますよね。私たちが拠点を構える岩泉町も、数年前から復興支援員という形で地域を盛り上げてくれる人を募集し、さらには今年度から地域おこし協力隊の募集も始めました。

今ではどこもかしこも地域おこし協力隊を集めていますので、それだけ人材を集めるのも難しいわけですが、仮に集まったとしても、それだけで上手くいくというわけでもありません。「この町は何がウリなんだろう」「ウリを認知させるために何が必要なんだろう」ということを町が積極的に考えて、そこにお金や人をつぎ込んでいかないと、他の市町村との競争に勝っていけないでしょう。

出典:スノーピーク

加熱する地域間競争の中で、高知県の越知町が日本を代表する高級アウトドアメーカーとして知られるスノーピークの協力を得て、観光一体型のアウトドア拠点を立ち上げることを発表しました。

アウトドア好きなら、知らない人はいないであろうスノーピークが、アウトドア拠点をつくる・・・これは注目せざるを得ません。

 

本当に必要なことは何か。

このニュース、地域に入るものとしての驚きは、まず、スノーピークとは何も関係がない高知県の越知町が舞台である点です。何せ、スノーピークは新潟の企業ですから。地方の役場は、まず他地域の企業をそう簡単によんでこれないイメージがあります。なんで地元の企業じゃないんだ!地元の企業を使うべきだというのが役場の基本スタイルなんですよね。

そうするとアウトドアメーカーはどこの町にもあるものではないので、じゃあ、アウトドアではなく、違うものにしましょうということになりかねません。つまり地元の企業や第三セクターが今までやって来たことの延長で解決してしまおうとする傾向がある・・・

もちろん、地元でできることは積極的に地元の企業や人を使ってやるべきだとは思いますが、本当に必要なものを考えるにあたっては、そこにとらわれすぎると、本来の目的を見失う可能性があると思います。

そういう意味で、越知町の決断というのは、他の地域では簡単にできることではありません。

 

スノーピークと地域の連携

スノーピーク側としてはどうも地方活性に興味があるようで、2017年2月1日に子会社である

株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング

を設立したというニュースが流れました。

株式会社スノーピーク(代表取締役社長 山井太、本社 新潟県三条市 証券 コード7816)は地方創生に関するコンサルティング業務を行う子会社、『株式会 社スノーピーク地方創生コンサルティング』を、2017年2月1日に設立致します。

これまでもアウトドア事業で培ってきた知見を生かし、主に地方自治体を対象 にコンサルティング活動を展開しておりましたが、よりスピード感を持って新規事 業として展開するために子会社を設立致します。これにより自然資源に強みを 持つ自治体や団体、企業と協力し、地域社会の発展に寄与することを目指すも のです。

引用:snow peak News Release

なるほど、スノーピークは、地域に入り込んでいって、地域のキャンプ場を町と協力し合いながら人を呼べるキャンプ場にリニューアルし、そこにスノーピークの製品をおくことで、認知度アップと販路拡大、そして、より一層の顧客との関係強化を狙っているんだろうなということがわかりました。そういう意味では、自然豊かで、しかも地域活性化の動きが活発な高知県は絶好の舞台だったのでしょう。おそらく、スノーピークは今後各地に拠点をつくっていきたいのだと思います。

と思ったら、北海道でも動きがありましたね。

昨年は、大分県の日田市のキャンプ場の運営も受託し、キャンプサイト再開発、コンサルティングの実績もあげた。北海道銀行は、同社のコンサルティングノウハウと、道内に点在するおよそ330のキャンプ場とを結び付ける役割を担い、地域活性に寄与するのが狙いだ。北海道銀行が資金面とネットワーク面をサポートする。

道内にでも、帯広市とプロジェクトの第一弾の準備が進んでおり今年7月にアウトドアイベントを開催する。同社山井太社長は「まだまだ埋もれている北海道の魅力をアジア以外の先進国富裕層にも発信し、地域活性に結び付けたい。」と語った。

引用:オルタナS

さらには、

キャンプ用品大手のスノーピークは15日、日本版DMO(観光地経営組織)として北海道帯広市などが4月に設立する観光戦略会社に出資し、子会社化すると発表した。十勝地方をアウトドアの発信拠点にしようとする新会社に参画。十勝の自然や食べ物などを生かしたイベントを通じ誘客を進め、新たなキャンプ愛好者の需要を取り込む。

引用:日本経済新聞

ここまでくると、十年後には、アウトドアメーカーの絡んでいない、オリジナルのキャンプ場の方が少なくなってたりして。そうなると、そっちの方が面白味があって人気が出てくるなんていう逆転現象もあるかもしれませんね。

 

岩泉でも面白いアウトドア施設計画中

スノーピークさんではありませんが、私たち LOCAL FOREST DESIGNでも森林を舞台に様々な遊びや体験ができるキャンプやグランピング施設運営を始め、アウトドアブランドの展開も考えています!!もちろん第一号は拠点のある岩泉が舞台です。できれば今年中には本当に小さな規模でいいので動き始めたい!!

これから夏にかけて少しづつ動きが出て来ますので、続報をお待ちくださいね!