ヒノキで建築した法隆寺が1300年以上保つのに、木造建築の寿命が30年なのはなぜ?

こんにちは。オオミ(@shoheiomi)です。

今回の林業・木材業の現状を学部は、日本の木造建築の寿命について考えてみたいと思います。

 

日本の住宅寿命は30年と言われ、ヨーロッパ各国が軒並み100年前後であるのと比べると、異常に低い状況であることが問題視されていますが、日本の住宅寿命が短い理由の一つとして木造であるということが挙げられています。果たして、木造は本当に30年程度しか持たないのでしょうか。

法隆寺とヒノキ

日本には古くから多くの木造建築が残されています。社寺を始め、普通の民家だって100年以上残っているのはざらにありますよね。さらには、日本で一番古い木造建築物である法隆寺五重塔は、今から1300年以上前に建てられた当時のものが今でも残されています。もちろん法隆寺の場合は特殊ですが、木造でも1000年は保つということの証明になるのではないでしょうか。

1000年以上の間法隆寺を支えてきた柱には、日本を代表する木であるヒノキが使用されています。ヒノキは、日本書紀にも、「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。」と書かれているように、古くから宮殿や社寺建築に使われてきました。

なぜヒノキは宮殿や社寺のような重要な建築物に使用されるのでしょうか。それは、ヒノキの耐久性や保存性が非常に優れていることに由来します。

なんとヒノキは、伐採後200年後が一番強度が強く、伐採されて1000年後でも、伐採時と同じ程度の強度を保っているというのです。これは非常に驚くべきことです。コンクリートであっても鉄であっても、1000年後に今と同程度の強度を保っているということはあり得ないことです。実際に鉄筋コンクリートの耐久年数もせいぜい30年、よくて50年と言われています。

 

木造建築の寿命は長くなる

ではなぜ、日本の木造住宅は、耐用年数が低いと言われているのでしょうか。その理由はいくつかあります。

  1. そもそも100年以上を想定して建築されていない
  2. 断熱・密閉が木材の腐食を早めてしまう
  3. 日本の風土にあった木材が使用されていない
  4. 木材を支える釘やネジの耐久年数が低い

 

まだまだ理由はありますが、大きく分けるとこの4つの理由が考えられます。

一つ目は、日本の生活事情が起因していると思います。就職先は親元を離れ、転勤もお多い日本人の生活事情だと、何世代にも渡り、修理しながら住むということがあまりありません。

そもそも1世代しか住まないことを考えれば、30〜50年程度でも問題がないわけです。ですが、寿命が伸びている現在では耐用年数がギリギリなので、ボロボロな状態で過ごす期間が出てきてしまうのが現状です。(新しい家は、100年持ちます・・・というような住宅も出てきたので、少し傾向は変わりつつあるのかと思います)

 

2つ目は、今流行りの断熱・密閉性の高い住宅環境が、木材の腐食を早めてしまうからです。密閉性の高い住宅だと、日本のような高温多湿の環境下では、どうしても湿った状態になってしまい、腐りやすくなってしまうのです。

もちろん、断熱性・密閉性の高い住宅は、暖房が効きやすいとか、寒くなりにくいとかいい面もあるので否定はしませんが、良し悪しがあるということです。

 

3つ目は、日本の環境にあっていない外材を使用していることで、腐食しやすい状態になってしまっていることが考えられます。昔の家づくりは地元の木、それも生えていた時の日の当たる方向まで確かめて、それに合わせて「この木材はここに使う」ということを決めていたそうです。それが今ではどこに生えていたかもわからない外国の木を使うわけですから、長持ちしないのは当たり前かもしれません。

 

4つ目は、木材をつなぎとめる釘やネジの耐久年数がせいぜい25年程度しかないということです。木材がもったとしても、それをつなぎとめている釘が25年しかもたねければ、住宅としては機能しませんよね。これも、古来の釘(鎌倉時代以前は特に)は今のものよりねっとりとしていて、朽ちにくいようです。なので、木組みの建築ではなくても、古来の建築物は長持ちしたのです。

 

逆に言えば、この木が腐りにくい環境・日本の気候に合わせた国産材・耐久年数が長い釘などを使うようにすれば、木造建築はかなり長持ちします。

戦後の建てられた品質の悪い住宅の寿命が短かったために、木造=長持ちしないというイメージが定着してしまいましが、現在では、無理やり壊したりしなければ、50年近くは保つ住宅が増えています。働き方も変わってきているので、何世代にも渡ってリフォームしながら住んでいくという暮らしかたも増えていくでしょう。

 

 

林業・木材業の現状を学部

2 Comments

卓球好きな一般人

ヒノキの一枚板の卓球のラケットはどのくらい持つのでしょうか?
ちなみに、たまにしか使いません。

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森のパラレルワーカー/逢見祥平 

一般の方が使うのであれば、数十年単位で持つのではないかと思います。水につけたり、湿っぽい場所につけていれば腐るか可能性もありますが、そのような場所に置かなければ、そう簡単に腐りません。競技レベルで使うのであれば、すり減りや、乾燥による打感の変化なども考えなくてはならないので、使用期間はずっと短くなるのではないかと思います。その辺りは木材に詳しい人よりも、卓球に詳しい方のほうがわかるのでは?と思います。

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