自家製メープルシロップも!?樹液採取の方法を教えるよ。

 

こんにちは。@shoheiomiです。

3月上旬から開始したウリハダカエデの樹液採取が3月末をもって終了いたしました。

準備段階から採取方法、採取した後の活用(メープルシロップの製造)まで一通り行ったので、来年以降の活動のためにも情報をまとめておきたいと思います。

 

12月:樹液採取のために資源調査を行う

思えば12月から準備を始めていたんですね。採取期間は1ヶ月だけでしたが、場所と樹液を採取する木の選定は12月に行ったので準備期間の方が長かったということに。12月の岩手県の山の中、当然雪に覆われている中で一本一本にテープを巻きつけ番号をつけなければならず、四苦八苦しながら資源調査を行ったことを覚えています。

このときは今回樹液を採取したウリハダカエデの他にイタヤカエデ、ウダイカンバ、シラカバなども調査し、合計で140本程度生息していることを確認しました。

来春の樹液採取に向けて町有林で資源調査を実行!!

 

2月:調査した中から採取する木を選定する

本格的な樹液採取シーズンになる前に、資源調査した中からどの木を使うか選定する作業を行いました。この時期は山にもっとも雪があるので、歩くだけでも一苦労でした。長くつを履いてもすっぽりと埋まって雪が靴の中に入ってくるので足が冷たかったことを覚えています。

今年は甘い樹液が採取できるウリハダカエデに焦点を絞り、その中から採取しやすい場所にある10本を選定しました。

選定基準は先に書いたように「場所」も重要ですが、「木の太さ」も考慮しています。樹液の量が木の太さによって変化するのかを検証するためです。そのため単に太い木だけでなくあえて細い木も入れることにしました。ちなみに10本のうち最大の太さは胸高直径で30cm、最小は12cmです。

 

3月上旬:樹液採取開始

3月に入ってすぐに樹液採取を開始しました。初日は樹液を採取するために器具の取り付けを行います。電動ドリルで木に穴を開けて専用の器具を埋め込み、ホースを繋いでペットボトルをセット。途中で電動ドリルが力尽きないかビクビクしながら穴あけを行ったことを覚えています。

2018年の樹液採取が始まる。今回採取するのはウリハダカエデ。

 

それから2日後、採取した樹液を回収に行きました。

樹液が凍っているので、その場でタンクに移し替えて回収するという当初の目論見が見事に崩れました。結局ペットボトルを一つの木につき2本用意して、樹液が入ったボトルは持ち帰り、新しいボトルを付け替えてくるとう作戦に変更。自然相手なのでなかなか思い通りには行きませんね。1回目の採取では10本の木から6リットル程度採取することができました。

全部で6リットル超!ウリハダカエデの樹液を回収してきました。

 

3月中旬:メープルシロップの製造

その後何回か採取して樹液がストックができたので、自家製メープルシロップを作ってみることに。

メープルシロップは樹液を煮詰めることで製造できるのですが、40分の1まで煮詰めないシロップ状にはならないので、なかなか時間と根気がいります。

結局、15リットルの樹液を18時間煮詰めて300ml程度のメープルシロップを製造することに成功しました。計算すると50分の1。数字からすると少し煮詰めすぎた気もしますが、できたシロップは焦げ臭いということもなくしっかりとメープルシロップになっていました。

日本で自家製メープルシロップができると知っている人はそんなにいないでしょうから、本当に贅沢だと思います。まずはパンやヨーグルトにかけて食べてみました。市販のものよりも舌触りがまろやかで美味しいと思います。

ウリハダカエデの樹液を煮詰めて自家製メープルシロップを作ってみた。

 

3月末:樹液採取終了。そして撤収。

暖かくなりほとんど樹液が出なくなったので、採取を終了することにしました。結局採取開始から約3週間ほどで計88リットルの樹液を採取することができました。採取に行けない日や、樹液が出すぎてこぼれてしまったということもあったので、それらを考慮すると優に100リットルは超えているのではないかと思います。自然の恵みってすごい!

調査の目的の一つであった太さが樹液量に関係あるのか、という点ですが、基本的には太い方が採取しやすいのではないかと思います。結構曖昧な言い方になったのは、結局10本程度ではデータとして不十分ですし、気温や日当たりという別の要因も作用する上、実際にところ一番太い木が一番採取できたという訳でもないからです。ただ、全体的に見れば太いものほど量が出る確率は高いのかなという結果にはなっています。ちなみに一番細い12cmのものからはほとんど採取できませんでした。

撤収作業はごく簡単。枝を穴に差し込むだけです。

木に取り付けていた専用の器具を取り外し、穴が空いた部分に抜けないようにハンマーでしっかりと枝を差し込みます。入りきらない部分はノコギリで切ってしまいましょう。こうすることで、時間とともに木が成長することで穴を塞いでくれるようになります。

これにて撤収作業完了。1ヶ月という短い期間でしたが自然の恵みを存分に感じることができました。

 

作業を終え振り返ると山はすっかり雪解け、本格的な春の訪れを感じました。たった1ヶ月、これだけ景色が変化する時期も他にないでしょう。だからこそこの時期に樹液が出るのかなと感じました。

来年はツアーなども含め実用的な部分をもう少し考えていきたいと思います。

また一年後をお楽しみに。

 

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