モノの魅力って何?知識欲を刺激する仕掛けを考える

モノの魅力って何で決まるのでしょうか。デザインや機能性、価格などが思い浮かびますが、個人的に大事じゃないかと思っているのは、そのモノを手に入れることによってどのような知識を得られるか、だったりします。

モノの中にいくつもの情報が詰まっていて、それを結びつけると新しい知識になり、知識がモノへの愛着を強化してくれると考えています。

情報がモノを補完する

本のように知識を得ることが目的であるものの場合は想像しやすいと思いますが、一見あまり知識と結びつかないもの=例えば洋服を購入することでも新しい知識を得る機会があります。

例えば、僕はSOU・SOUさんの高島縮のシャツが好きなのですが、なぜ好きなのかというと、高島縮特有の表面の凸凹感の見た目と、その手触りの良さに魅力を感じているからです。実際にシャツを購入すると、高島縮の説明が書いてあって、滋賀県の織物であること、200年以上の歴史があることや、夏に涼しく、冬に暖かい理由などが書いてあって、ますますそのシャツが好きになるんです。

そのように、モノに詰まっているいくつもの情報がモノの価値をより高めてくれていると思っています。もちろん、商品そのものに魅力を感じないと、情報があっても興味を持ってもらえないので、まずは良いモノを作る必要があります。それからもっと好きになってもらうために、知識欲を掻き立てる情報を散りばめる…そんな仕掛けが必要なのではないかと思っています。

個人の作家だからこそ丁寧に

セレクトショップなどでブランドのものを購入すると、大抵はブランドのコンセプトや商品ストリーが書いてあるパンフレットもついてきます。でも、個人の作家さんで、そこまで出来ている方ってあまりいないですよね。

個人作家だからこそ、どんな場所、方法、考えで仕事をしているのか、発信していくことは大きな武器になる…奇をてらったことはなかなかできないけれど、まずは出来ることからコツコツと始めていきます。

具体的に何をするのか…製品の宣伝ではなく、純粋に木とうつわについて知っていると楽しい知識、を載せたミニパンフレットを作ります。

うつわに使われている木の樹種やその特徴、木取りの仕方(製法)によるうつわの見た目や性質の違い、木のうつわを汁椀として使うのはなぜか…等、モノに詰まっている情報を引き出す役目を果たしてくれる情報をわかりやすく伝える仕組みとして、ミニパンフレットを活用したいと思います。

後々、個体識別カードみたいなのを作って、このうつわはこの木からできました、というのがネット上で確認できる…そんな仕組みまで進化させることができたらワクワクしますよね!

このカテゴリーは・・・