今回ご紹介するのは、七宝焼きです。
七宝焼きとは
金属(金、銀、銅、鉄、青銅など)の素地に、釉薬(ゆうやく)を800℃前後の高温で焼き付けるもので、七宝という名は、仏教の経典にある、七種類の宝をちりばめたように美しいものという意味で名づけられました。
七宝焼きはもともと古代エジプトで焼かれていたようで、それがヨーロッパや中国に伝わり、そこから日本に伝承されたと言われています。日本では、刀装具や釘隠し、襖の引き手などの装飾に使われていましたが、その技術は秘伝であり、庶民に広まっていくことはありませんでした。現在の七宝焼きの技術は、明治時代に確立されたものであり、皇室など高級品から庶民のアクセサリーまで多くの人々に愛されたのでした。
七宝焼きの作り方
体験させていただいたのは、京七宝のヒロミ・アートさん。八坂神社や祇園の近くにあり、京都を感じる地に店舗を構え、多くの訪日外国人の方々も訪れる京七宝の専門店です。
今回行うのは、銀でできた針金のように細い線を自由に折り曲げることで自分の思い描いたデザインを作っていくことができる有線七宝。このほかに、ビーズのような細かく砕いた釉薬を溶かして模様を作るフリット七宝も体験できます。
七宝焼きの土台となる金属が用意されています。それぞれ一つづつ微妙に形が異なるので、好みのものを選びましょう。見本を見て、イメージを膨らませながら選んでいくのがおすすめです。
紙にデザインをかき、その上に重ねるように切断し、折り曲げた線を載せていきます。これで決まり、と思ったら、純銀の土台にのせていきます。
のりをつけて置くようにのせていきましょう。
少々はみ出しても、後からはみ出た部分をカットできるので問題ありません。
のせ終わったら、のりが乾くまで数分間待ちます。その後、釉薬を入れていきます。
釉薬は、置くようにのせていくことが、綺麗に仕上げるポイントだそうです。のせた後はあまり動かさないようにします。
全部のせ終わったら、専用の窯で焼いていきます。800℃ほどの高温で、数分程度焼きます。
焼き終わって取り出したものがこちら。焼いたばかりは黒ずんだ色をしていますが、徐々に落ち着いて、綺麗な青色に変化していきます。
焼き上げると、釉薬部分がしぼむので、もう一度釉薬をのせていきます。この際、1回目と同じ色をのせると、濃くなるので、濃くしたくなければ、明るめの釉薬をのせていきます。
のせ終わったら焼き上げ、冷ましてから、はみ出した銀線をカットし、仕上げにもう一度焼き上げます。
紐を取り付けて、完成!!ガラス特有の光沢がなんとも言えず美しいですね。
京都を訪れた際は、ぜひ体験して見てください。
(有)ヒロミ・アート
お店 | (有)ヒロミ・アート |
場所 | 〒605-0802 京都府京都市東山区毘沙門町 京都府京都市東山区大和町大路通松原上る4丁目 毘沙門町38 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
電話 | 075-864-3631 |
ホームページ | http://hiromi-art.jp |