京都の手仕事体験第二弾。今回は、江戸時代から和ローソクを作り続ける中村ローソクさんで和ローソクの作りを体験させていただきました。
京都の中心地から少し外れた竹田にある中村ローソクさん。門構えから雰囲気があり、一見して和物の関係の
お店だということがわかります。
中に入ると、目の前はお店というより製造現場。こういう作っているところが見えるお店っていいですよね。どこでどのように作られたものなのかわかるものは、やっぱり安心だし、愛着もわきますよね。
体験の前に、和ローソクとようローソクの違いについて説明を受けました。
どちらが和ローソクで、どちらが洋ローソクでしょうか。
正解は、左が洋ローソクで、右が和ローソクです。洋ローソクの方が炎が大きく、燃えている時の匂いも強い印象です。対して和ろうそくは、石油や動物性の油を使わないため、嫌な匂いがせず、煙も出にくい、優れたローソクなのだそう。
和蝋燭の大きな特徴として、原料が純植物性である点が挙げられます。そのため、油煙が少なく、ほんのりとロウの溶けた香りがします。点火するとロウは液体となりますが、その液体は芯に吸い上げられ、炎と共に蒸発するため、液だれもほとんどありません。さらにススが少ないため、お仏壇も汚れにくく、汚れた場合でも簡単に拭き取れます。
引用:中村ローソク
ちなみに、ローソクは時間を図る役目もあるため、和ローソクの単位は【匁(もんめ) 一匁…3.75 グラム】という重さで測ります。重さが同じであれば、燃える時間はほぼ同じであるからです。
<燃焼時間表>
匁数 | 芯までの長さ(cm) | 直径(cm)上/下 | 燃焼時間 |
2匁 | 約7.5 | 1.7/1.2 | 約50分 |
3匁 | 約10 | 2.0/1.4 | 約1時間 |
4匁 | 約11.5 | 2.1/1.5 | 約1時間15分 |
5匁 | 約12 | 2.2/1.5 | 約1時間30分 |
10匁 | 約15 | 2.7/2.0 | 約2時間 |
15匁 | 約16.5 | 3.2/2.2 | 2時間30分 |
20匁 | 約18 | 3.8/2.8 | 約4時間 |
30匁 | 約19 | 4.5/2.8 | 約5時間 |
50匁 | 約21 | 5.5/4.1 | 約7時間 |
100匁 | 約25 | 7.5/5.2 | 約9時間 |
和ローソク製造工程
和ローソクがなにでできているか知っていますか。原料はハゼの実。
ハゼの実の外殻から絞った油脂分を精製した木蝋(もくろう)を使います。
これが搾り取った後に固めたもの。これを溶かして木型に入れていくことでローソクを形作って行きます。
大きなお寺などに使われる巨大な和ローソク。こんなのも作っているのですね。
ローソクの芯になる部分です。芯は、い草の髄から取れる燈芯を使います。
イグサでできた芯に竹串を差し込み、木型にセットします。
その後、ハゼの実を溶かしてできたロウを専用の木型に流し込みんで行きます。
流し込んだばかりは、まだ透明です。
すぐに固まって行き、白っぽくなっていきます。
数分放置し、固まった後、竹串を外し、はみ出た部分を刃物でカットしていきます。
竹串を外した部分の穴が潰れていたりするので、形を整えて行きます。
最後は、型からろうそくを取り外し、色付けを行なっていきます。色付けをする際は親指で竹串を押しながら回し、全体に液体がかかるようにしていきます。あまりゆっくりやると、ムラができるので、思い切ってかけていくことが上手に色付けしていくポイントだそうです。
ハゼは、漆科であるので、岩手に豊富な漆の実を使い、ろうそくができないものか、実験してみたいと思います。
また、どの伝統産業にも共通して言えることですが、和ろうそくの木型を作る職人さん(こちらでは船大工さんに作っていただいたそうです)がいなくなったため、今ある木型を大切に使い続けるしかないようです。伝統を支える伝統にも目を向けていかなく必要があるのではないかと感じました。
有限会社中村ローソク
所在地 | 〒612-8413 京都府京都市伏見区竹田三ッ杭町57-8 |
TEL | 075-641-9381(代) |
営業時間 | 9:00~17:30 |
定休日 | 日、祝 第2、4土曜日 |
はじめまして。
結構大変そうですが、漆でろうそくできるそうですよ。
http://www.tohoku21.net/japan/03/03_02/03_02_01_02.html
>>みうらかなこ様
なるほど、漆でもできるんですね。参考になりました。今度実験する・・・かもしれません。