燻製を自分で作るのは難しい・・・と思っていませんか。実は家にある調理器具やホームセンターで揃えられるものだけで簡単に燻製ができてしまいます。普段食べているウィンナーやチーズなども自分で燻製したものはやっぱり格別です。
今回はそんなお家で簡単にできる燻製についてご紹介していきたいと思います。
燻製とは
そもそも燻製は、もともとは長期間保存することを目的に、塩漬けにした肉や魚などに煙をかけたことから始まります。最近では、冷蔵技術の発達のおかげで、保存食の必要性が低くなり、燻製は風味づけとしての楽しまれるようになってきました。
そのまま焼いて食べるときとは異なる燻製独特の風味は、煙に含まれている「カルボニル化合物」「フェノール化合物」「有機酸」などの働きによりもたらされるのです。
簡単燻製に必要なもの
①燻製チップ
燻製チップは皿などにもり、下から熱を加えることで煙を出します。チップ自体に火をつけても燃えないので必ず別の熱源が必要になります。ただし、あまり熱が強すぎるとチップから炎が出てしまうので注意が必要です。
燻製は素材と相性のよいチップを選ぶことが重要です。木材の種類により、香りや色づきが大きく異なってきます。木材は針葉樹、広葉樹と別れていますが、燻製では主に広葉樹を使用します。針葉樹は煤が多く、ヤニによる臭いもあまり良くないため、あまり燻製には適しません。
・サクラ
日本で最もポピュラーな燻製材として知られています。サクラは香りが強めなので、クセのある食材に適していると言われ、肉系との相性が抜群です。
・ナラ
ナラはくせのない香りで、色つきは濃く出るので、素材を選ばず、何にでも合います。特に魚に使用するときれいな色に仕上がります。
・クルミ
クルミもナラと同様くせのない香りで、色合いも無難です。肉類、魚介、チーズ、練物など素材を選ばずに何にでも合います。
・カエデ
サトウカエデの樹液からはメープルシロップを作ることができます。香りは甘く、色付きも良いので、初心者にもおすすめの樹種です。
・ブナ
ナラ同様色付きが良く、魚、肉ともに適しています。ヨーロッパではハムやソーセージなどの肉系の食材の燻煙材として使用されています。
単一樹種で楽しむのもいいですが、ブレンドして燻製するのもおすすめです。何回も試して自分好みの配合を見つけましょう!!
②土鍋
燻製専門の容器もネットで探せば販売していますが、簡単燻製ではそこまでの投資は必要ありません。鍋焼きうどんとかで使う、こんな感じの普通の土鍋で十分燻製することができます。
③金網
食材をのせる網も用意しましょう。土鍋のサイズに合わせて、少し小さめの網を用意するのがベストです。少し小さめにするのは、きちんと土鍋の中に入れることで、土鍋の蓋を閉めた時にピッタリと閉まるので、煙が逃げないようにするためです。燻製に必要な煙が漏れてしまうと、うまく風味づけできない原因ともなるので注意しましょう。
とはいえ、大きな網でも、周りにアルミホイルを巻いたりして密閉に近い状態にさせることで、問題なく燻製できます。ちなみに私も土鍋にあう網を持っていないので、アルミホイル巻き方式を採用しています。
最低限、この3つを揃えれば、燻製はできます。
あると良いものとしては、
・鍋つかみ(土鍋を触るとき熱いので)
・アルミホイル(土鍋から煙が出ないように巻きます)
この2つは用意した方が良いかもしれません。
簡単燻製の作り方
先に紹介した燻製に必要な道具を揃えたら、食材を用意しましょう。
今回はウィンナーで実験していきましょう。
水分があると弾けるので、しっかり水分を取るために、キッチンペーパーで押さえながら拭いておくといいでしょう。
網の上におきます。
土鍋にアルミホイルを敷き、桜のチップを一握りおきます。
蓋を閉めて、火にかけます。隙間から煙が出てきたら準備OKです。
先ほど網の上に用意したウィンナーを土鍋にのせて、蓋をし、アルミホイルを巻き、煙が漏れないようにします。
そのまま弱火で10分ほど火にかけるだけで完成!!
やることはこれだけです。簡単でしょう。
15分くらい火にかけると水分が抜けきって、干からびた感じのウィンナーになります。それも程よい硬さがあっておつまみにピッタリ。ウィンナーのパリッといた食感が好きなら10分〜12分程度がベストだと思います。お好みで火にかける時間は調整してみてください。
この燻製ウィンナー一度食べれば病みつきになります。売っている燻製ウィンナーとはやっぱり違いますね。できたての美味しさは格別です!
いつか燻製小屋を作りたい
岩泉はチップの材料になる広葉樹が豊富にありますし、食材となる海産物もあるので、燻製したいなあという願望があります。森の中で地元の食材を燻製してパーティするなんていうのも面白そうです。何より、家の中で燻製するとどうしても服に匂いがついたりするのでなかなかできないんですよね。森の中に燻製小屋があれば、気兼ねなくできますし。
とはいえ、すぐに小屋は作れないので、まずは自宅でできる簡単な燻製を極めていきます。どんどん実験してみなさんにご紹介するのでお楽しみに。
この記事が気に入ったなら
この記事を気に入っていただけたのなら、燻製カテゴリーの記事がオススメです。初心者でも簡単にできる燻製レシピなどご紹介していますので、参考になればと思います。
- 【初心者にオススメ】手軽にできる簡単燻製の基本的な知識を学ぶ。
- 100均でつくる簡単燻製器と岩泉切炭を使ってリーズナブルでリッチな燻製実験してみた。
- 株式会社シオン主催の木育イベントで広葉樹活用と燻製体験の講師を務めました。